vol.32

ヒラ社員からいきなり社長へ

エムズコミュニケイト
岡田祐子さん 

2010.8.19

29歳の転機~妹たちへの応援歌~

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エムズコミュニケイトは、親会社・大日本印刷の一社員だった岡田祐子さん(41)のアイデアから生まれた会社だ。2003年創業。顧客の購入額に応じてポイントがたまるといった企業の会員制サービスのコンサルティングや導入・運用支援などで150社以上と取引してきた。着々と歩み続ける同社だが、誕生のきっかけとなったアイデアは、実は30歳を前にした岡田さんの「このままだ会社に居場所がなくなる」という焦りに起源があった。

「居場所がない」危機感が動かした

「20代はお気楽OLだった」と岡田さん。フレックス制度を活用して出勤前に早朝のテニス教室に通ったり、会社の一斉休暇とは別に休みを取ってしばしば海外へ旅行したり、さらには帰国日を間違えて1日多く休んだり…。

だが、遊んでばかりいたわけではなかった。入社してまず配属されたのは、企業のIDカードから会員証までのカードの企画全般や、そうしたカードの持ち主の情報を管理・利用するシステムやデータベースの構築・管理を担当する部署。理系出身の上司や先輩に囲まれて、文学部出身の岡田さんは、見よう見まねでついていくのがやっとだった。「自分にしかできないものはなにか?」「自分は何に向いているのか?」と悩むことも多く、あちこちの社外のビジネス系のセミナーと、趣味の習い事をはしごするようになった。会社の外で転職や起業のヒントが見つかるかもしれない、という期待もあった。

入社7年目、29歳の時に会社から1枚の紙を渡された。定年までの目標とそのアクションプランを記入する上級職目標管理シートだった。だが、いざ書こうにも、将来設計を考えられるのはせいぜい5年後まで。その先は、全く思いつかない。ほぼ空欄のシートが自分に「この先、給料分の働きをしてくれるのか」と突きつけてきた。「そこそこ仕事が出来ても、このままでは自分の居場所がなくなる」。今までの青い鳥を求めるような自分探しとは違う危機感に突き動かされ、これまで仕事でどんな時に重宝され、どんなことに喜びを感じてきたのか、今の仕事をどう感じているのか、自分自身の内側から見つめ直した。

当時の仕事はポイントサービスの営業や企画、販売促進。ポイントサービスを始めようとする企業は、競合他社のサービスや市場動向調査、顧客データベースの構築など、さまざまな業務を別々の企業に発注しなくてはならず、負担が大きい。その様子を見続けてきて、ふと「総合的に支援するナビゲーターがいれば便利なのに」と思いついた。「この仕事なら自分の強みを発揮できる。しかも喜んでもらえそう」


Profile

プロフィール

岡田 祐子(おかだ ゆうこ)さん
株式会社エムズコミュニケイト 代表取締役社長

慶応大学卒業後、大日本印刷に入社。カード全般の企画開発の部署を経て、主にポイントカードの営業企画を担当。社内のベンチャー制度で、2003年9月に会員制サービスを支援するエムズコミュニケイトを設立し同社社長に就任。最近はマーケティングコンサルティングまで業務を拡大中。趣味は、トレンドウオッチも兼ねた街歩きや太鼓を打ちながら体を動かす太鼓ビクス。夫と二人暮らし。著書に「成功するポイントサービス」(WAVE出版)。ツイッター:http://twitter.com/okada_yuko

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